国際結婚夫婦の韓流日記@ブリスベン


by Ichurch_Taka77
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美しき北朝鮮人サッカー選手




まず始めに断っておく。  このエッセイはあくまでスポーツ面での話であり政治

や歴史の話は一切に含むつもりはないので、そっち方面の論議はやめてほしい。



話は今大会のワールドカップサッカーに出場している北朝鮮チームの話である。 

今大会、参加国の中で一番ランキングが低い北朝鮮(105位)であるが、

不幸にも「死の組」(Group of Death)と言われているGグループ

(ブラジル、ポルトガル、コートジボワール)にいる。

大会開始前、誰もがぼろぼろになる

北朝鮮チームの姿を想像したことであろう。

しかし、16日明朝に行われた第1戦の

対ブラジル戦では2対1で負けたものの大健闘の試合であった。

1点をブラジルから決めただけでなく試合を見ていても実に気持ちがよかった。 

1年に何億円という法外な年俸をもらっているスター選手がいるブラジルや昨日

のポルトガルの選手はボールが奪われたり、

思わぬ方向にボールが行くと大抵の選手

は追う事はしなかった。 が、ほとんどの北朝鮮の選手は大抵の場面で、

懸命にボールを追っていた。 

そしてなにより私がここで一番言いたく、とても強調したいことだが、

多くのヨーロッパ、南米の選手らはちょっとラフなタックルをされたり、

なっとくがいかない判定が審判から下されると、

とってかかり相手選手や審判に文句

を言っていた。それをやり過ぎてイエローカードをもらう選手すらいた。 

もちろん、それは人間なら誰しもがやってしまう事であろう。

しかし、私が北朝鮮の2試合、ブラジル戦とポルトガル戦を見る限り、

それをやった北朝鮮の選手は一人もいなかった。

どんなに強いタックルを受けようが、

すぐに立ち上がり次のフリーキックの体制に入り、(本当に長く倒れている選手

はいなかったと思う)どんなホイッスルを受けようが決して審判に言い詰め寄る事

はなかった。 そればかりか、倒れた相手選手に手をかざし起こしてあげたり

(もちろん他国の選手でもやる人がいたが、北朝鮮の選手に多かったように思う)、

審判に抗議している相手選手の肩をポンとたたきなだめたり、

実に見ていてとても気持ちが良い光景であった。 

どんな状況でも懸命にボールを追う姿、決して相手選手や審判

に抗議しないスポーツマンらしい態度、スポーツマンとしてとても

美しい姿だったと思う。 


そのせいもあってか、昨日の試合、前半を1-0で折り返し、

これはまたブラジル戦の再来かと思わせたら、

後半になりそれが一気に崩れ去り、ゴールを次から次へと

決められてしまった。 不思議と私も、まるで日本を応援するかのように北朝鮮

を応援してしまった。

「ひょっとして彼ら帰国とともに死刑にされるのでは」という心配と共に・・・・


そして次に私の目をひいたのは、前半が始まって何分頃であったか、

大雨が降り出した。

ポルトガルの選手は「こんな雨の中ではやりたくない」

と言わんばかりの顔であったが、

北朝鮮の選手はいかにも「こんな事、日々の訓練で慣れています」と言わんばかり

に平然としていた。(何の訓練でしょうか?(笑))

そして、逆に北朝鮮の選手の方が、動きが良くなったような気もした。


しかし、やはり後半になると、世界ランキング3位との

差がゴール前で出てしまった。

ミスもあったが絶妙なパスワークにより次から次へと

ゴールのオンパレード、最終的に7-0と歴史に残る大差で負けてしまった。


やはり北朝鮮となると海外からの評判を気にしてか、

“そのようにマナーが良い選手に仕立てている”

という考えもできるであろう。(そうなれば、私はだまされた事になるが(笑))

しかし、あの北朝鮮である、そんな“スポーツマンシップ”

より勝敗の方が何より優先であろう。(まあ、どこの国だって今はそうであろうが)

“それに徹底させる”という可能性は薄であろう。

何より何年か前の出来事であるが、相手の中国も悪いのであろう

が女子サッカーの中国対北朝鮮戦で両チームファールの応酬、

あげくの果て試合後に乱闘にまでなるという

試合があったのを記憶している。 


今回の北朝鮮の2試合を見て感じたのは、北朝鮮チームにはいわゆる“海外組”

と言われる国の外でプレーしている選手が在日韓国人・北朝鮮人選手の2,3人

であるという事であろう。 ひょっとすると中国リーグ

の経験者もいるかもしれないが、日本や韓国のチーム

のようにヨーロッパや南米リーグ経験者というのはまずいない

であろう。 もちろんそれは、“国を出れない”

という北朝鮮事情もあるからであろうが、

仮に国が監視付きの派遣であったとしても、

ヨーロッパや南米リーグに選手を派遣して

“外の国のサッカー”というのを習得できるならば、北朝鮮サッカーチーム

がベスト4進出常連国になる日が必ずくると思うのだが、

今の北朝鮮状況ではそれは無理な願いであろう。 


しかし、いつの日か仮にそうなったとしても、今日の試合のような闘士

あふれる姿とフェアプレー精神は忘れないでほしい。 


彼らを見る事ができるのが、あと1試合なのがとても残念である。 

彼らの帰国後の安否を心配しつつこのエッセイを終了する。




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by ichurch_taka77 | 2010-06-22 19:00 | コラム